ベッドって難しいですよね。しばらく使ってみないと自分に合っているかわからないのに、そうそう買い替えるものでもないので、最適解の探求が難しいと思うんです。とはいえ、20年以上もベッドと向き合い、腰痛と戦ってきたので、だいたい答えが見えてきました。今回はその観点を共有したい。
最高の眠りを追求する
寝心地を決める最大の要素は、マットレスの質・フィット感だと思いますが、家具屋さんやショールームで少し寝転がった程度では、ぶっちゃけ寝心地なんてわからないですよね。お金に余裕があれば数打ちゃ当たる作戦でイケるんでしょうけど、コスト効率を最大化するためにもマットレス選びの観点を知っておきたいところ。
体にフィットするのマットレスの条件
マットレスの価格が睡眠の質に直結するなら話は早いんですが、そういう訳でもないのがマットレス選びの難しさ。価格的には、固いものが安く、柔らかいものが高い傾向にありますが、自分に合ってるかどうかは、
- 体重
- 寝方(仰向け、横向き)
を考慮して選ぶ必要があります。
体重
一般的には、体重が軽い人は柔らかめ、重い人は固めのマットレスが良いとされています。というのも、マットレスへの体の沈みこみの加減が重要なので、体重/密度に合ったものを選び、頭から足までを一直線の姿勢で維持できるようにする必要があります。傾向として、体重が軽い人が固めの(反発が強い)マットレスを使うと腰が浮いてしまい、逆に体重が重い人が柔らかめの(反発が弱い)マットレスを使うと腰が沈みこんでしまい、一直線の姿勢が保てない。
一時期流行ったテンピュールに代表される低反発素材のマットレスに対して、「有名だから買ったのに体に合わない」とか「いやいやぐっすり快適に眠れるよ」などと、使用感が人によって大きく違うのもこのためです。
©図: 快眠Labo
イメージ図を見ると理解しやすいかと思いますが、上の図のように体圧がしっかり分散されている状態が最適です。適切に体圧が分散されると、寝ているときも立っているときと同じ姿勢を保つことができ(仰向け時)、良い寝心地が得られます。
寝方(仰向け、横向き)
もう一つの観点としては、寝方。仰向けを常に維持する人もいれば、横向きが好きな人もいると思います。
横向きで寝ることが多い人は、柔らかめのマットレスを選んでみましょう。肩がしっかりと沈みこむ柔らかさを選ぶと、寝心地がグンと上がります。
ベッドの固さ(柔らかさ)を決定づける要素
次に、マットレスの上に寝たときに感じる固さ(柔らかさ)に大きく影響する以下2つの要素を頭に入れておきましょう。商品選びのときに役に立ちます。
- コイルと詰め物のボリューム
- ベッドフレームのクッション性
コイルと詰め物のボリューム
マットレスの反発力は内臓されたコイルによって生まれ、マットレス表面部分に使われている詰め物(ウレタン、ポリエステル綿等)が柔らかさを生み出します。コイルと詰め物がベッドメーカー各社の個性が出るところですので、色んなメーカーのマットレスを試してしっくりくるものを選びたいところ。
コイルの長さ、配列、数、独立性、詰め物の種類、量などが差別化のポイント。価格の視点で見ると、コイルと詰め物のボリュームが増えるほど、高くなる傾向にあります。
ベッドフレームのクッション性
ベッドフレーム自体のクッション性の有無も寝心地に(少しだけ)関係してきます。
フレーム自体にクッション性がない場合。
一部のメーカーで、シングルクッションと呼ばれているタイプ。こちらが一般的ですよね。
次に、フレーム自体にクッション性を持たせる場合。
一部のメーカーで、ダブルクッションと呼ばれているタイプ。シングルクッションに比べ、同じマットレスを使う場合でも(若干)柔らかく感じます。
どのベッドメーカーが良いのか
結論から言えば、体に合えばどこでも良いと思います。が、有名なメーカーであればあるほど取り扱い店舗が多いため様々なモデルを店舗で試すことができますね。まずはシモンズ、シーリー、サータ、フランスベッドあたりで探してみると、展示数も多く、自分に合ったマットレスを見つけやすいのでは。
ベッドの購入・買い替えサイクル
マットレスは消耗品。メーカーや使い方にもよりますが、寝心地が保たれる期間は有限。使いすぎてヘタりが出てくると寝心地に大きく影響します。
買い替えのタイミングとしては、以下3点ですね。
- 耐用年数
マットレスの耐用年数は、メーカー及び使い方にもよりますが、5~15年程度と言われています。ヘタってきたら買い換えの時期。 - 体重の変化
上に書いたとおり、体重に合わせたマットレス選びが重要なので、体重が大きく増減した場合は買い替えを検討しましょう。 - 家族構成の変化
本記事の趣旨からは外れますが、家族構成が変わればサイズ変更が必要になりますよね。
買い換えのときは、今まで使っていたものの寝心地を振り返り、さらなる睡眠の質の向上につなげるチャンス。
ベッドフレームは、マットレスのサイズが変わらない限り最初に購入したものが使いまわせますが、環境の変化で買い換えが必要になってくることも。特にヘッドボードは、スマホが普及した現在では、「照明付き」「コンセント付き」「収納スペースあり」などを重視する人も増えてきています。
自分が使ってるのはシモンズ
国内・海外のホテルで色々と寝てみた結果、自分に合ってるはシモンズだったので、5年前後の買い替えスパンでシモンズ製のマットレスをいくつか試してきました。そのときにハマってるスポーツ(ランニング、水泳、ロードバイク、テニス、ゴルフなど)によって若干体型が変化するので、買い替えのタイミングで体型の変化に合わせてマットレスを調整する感じで運用してます。
同じメーカーでも仕様によって寝心地がかなり違うので、例えば、
- コイルの長さ
クッション性に関与。例えば、6.5インチから7.5インチに変更するだけでも、クッション性は飛躍的に向上。 - 詰め物のボリューム
ボリュームが多いほど表面的に柔らかくなる。例えば、マットレスの上層にウレタンが2層くらい入ってると、地の弾力性に加え、表層的な柔らかさが得られる感じ。
他のメーカーだと、ずっと気になってるのは東京西川のエアー。
http://www.airsleep.jp/
空気に寝てるような軽さ、らしい。寝てみたい。