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決死!屋上に積もったスギ花粉を集めてみた

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春の風物詩、けふん(花粉)。日本人の約3割が花粉という名の呪いにもがき苦しみ、その呪い伝播し、また一人、また一人と呪いの波動が広がっていく。その呪いが屋上に積もってたので、突然ですが、集めてました。

決死!屋上に積もったスギ花粉を集めてみた

3月17日土曜日、晴天。
 
花粉が嵐のように吹きすさぶ中、私は屋上のストレージ(とカッコよく言ってみましたが物置です)に行くミッションが与えられた。
 
私は重度の花粉症。この時期、晴天の日中帯に外に出るなんて、正気の沙汰じゃない。花粉症の人がそんな日に外に出たら、絶対に死ぬ。そう、コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実にッ!!
 
なぜ屋上に行くのかというと、ストレージにティッシュのストックがあるんですよ。こんな感じで。

部屋の中のティッシュはすでに底をついています。
 
ティッシュがなければ鼻水まみれになっておぼれ死ぬのは確実。屋上に取りにいかねばならないのはわかってる。だが、花粉によって支配された外界での、花粉症患者の生存確率はほぼゼロ。
 
鼻水でおぼれ死ぬか、花粉で全身を蝕まれ苦しみと共に死ぬか。こんな究極の二者択一、味わったことがありますか!?
 
 
でも、おれは行く。一縷の望みを賭けて。花粉という危険すぎる物質で満たされた荒廃した外界を乗り切り、ティッシュ王におれはなる!!
 
 

外界への船出。勇気ひとつを共にして

 
 
ざぁ~、ざぁ~
 
 
花粉の嵐の音が聞こえる。
死出の旅路を出迎えるメロディ。
 
 
 
ぎぃ~ぃ
 
 
 
屋上に続くドアを開け、からんころん、からんころんと、野外のらせん階段を上がっていく。
 
 
 

屋上に到着。
いつもと変わらない風景がここにはあった。だが、多分絶対、花粉は確実に世界を蝕んでいる。私の命が、徐々に削られていく感覚が、恐怖を増長させる。
 
 
 
やだなー、こわいなあー
 
 
 
と思いながら、一歩、また一歩と足を進める。
まだくしゃみは出ない。
 
 
おかしいなー、おかしいなー
もうそろそろくしゃみ鼻水鼻づまりで死んでもおかしくないのになー
 
 
 
まだくしゃみは出ない。
 
 
 
世界は花粉から浄化されたのか?くしゃみが出ないぞ。もしや、このまま何事もなくストレージに辿り着けるのか!?
と思った矢先!
 
 
 
「こいつ、この世のモノじゃない」

 
と瞬時に全身が察知した。足元からおぞましい気配が立ち上り、私の動きを硬直させた。おそるおそる目をやってみると、そこには・・・
 
 

なんだか床に黄色い・・・怨念?
 
 

これは・・
 
 
か・・
花粉だああああああああああああああああ!!!!!!!!
 
 
 
こいつら、蝶のように舞い蜂のように鼻の粘膜を刺すだけに飽き足らず、田舎の公園にたむろするヤンキーがごとく、床に溜まってやがるんですよ。
ぎゃああああああー!!
 
 
 
 
と、普通の人は、もうこんな光景を目の当たりにしたら、目がかゆみで吹き飛び、自分の意思とは無関係に鼻が大量の水を供給する蛇口に変わり、自分が自分で無くなる感覚で狂い死にます。
 
 
 
でもなぜか、思った。この花粉を集めたら、楽しいんじゃないかと。
気づいたら、私の手にはホウキとチリトリが。体の、誰かに操られているかのように、花粉を集めはじめている。
 
 
 
とここまでが前置き。この記事の本題はここからです。聞いてください。花粉を集めた話を。
 
 

花粉を集めると、一体どうなったか

 
 
ホウキで花粉を集め始めました。屋上に花粉があんなに溜まってるとは思わなかったし、花粉をいっぱい集めたら、きっと楽しいはず。敵を自ら自分の城に招き入れる感覚っていうんですかね。新境地にいける気がしたんです。
 
 
 
床に散らばる花粉は、ホウキに吸着したり、空気に舞い姿を消したり。
 
 

 
ホウキに吸着したり、空気に舞い姿を消したり。
 
 
 
3時間かけて、溝にこれくらい集めました。
 
 
はい、ドーン!

 
 
ある種の満足感と虚しさに襲われながら、ストレージからティッシュを取り出し、僕は部屋に戻った。3時間を返して欲しい。
おしまい。

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