燃料価格高騰の影響で電気料金がドンドン高くなってますよね。特に、電力自由化以降に誕生した電気料金プランは、毎月増えていく燃料調整費のせいで軒並み高価格になっています。この環境下で最強クラスに価格が安いのは、大手電力会社の一般家庭向けの規制料金「従量電灯」ですので、早めに乗り換えましょう！
規制料金「従量電灯」とは
「従量電灯」というのは一般家庭向けの規制料金のプラン名で、大手電力会社（旧一般電気事業者、北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力を指す）から提供されています。規制料金は、料金設定と燃料費調整額の上限設定に法的な制限があり、国の認可が下りないと上限価格を変更できないようになっているため、燃料価格高騰の影響をあまり受けていません。
電気の規制料金（経過措置料金）プランとは？
規制料金は、2016年4月の電力自由化以前から提供されつづけている電気料金プランのこと。一般家庭などに広く提供されている電気料金プラン「従量電灯」が該当します。消費者保護の観点から、料金の内容はもちろん、燃料費調整額の上限も法的に定められているのが特徴です。規制料金は、電力自由化の際に、規制なき独占状態を防ぐこと、すべての契約者が電気料金プランの切り替えをすぐに行えないことなどを考慮し廃止されませんでした。
一方、自由料金は、その名の通り、電力自由化以降に誕生した電気料金プラン。規制料金と異なり、料金設定と燃料費調整額の上限設定に法的な制限がありません。
©エネチェンジ
僕の自宅では新電力（電力自由化以降に、新規参入した小売り電気事業者のこと）のHTBエナジーを利用していました。新電力が提供する料金プランは様々ですが、総じて大手電力会社の規制料金より格段に安い傾向にありますので、電力自由化をきっかけに新電力に乗り換えた方も多いのではないでしょうか。
ただ、昨今の燃料価格高騰の影響で、経営基盤が弱い新電力は倒産したり料金の大幅値上げを実施しており、僕が使っていたHTBエナジーもついに規制料金よりも高くなってしまった・・。下は、我が家の電力使用量をもとにした東電の従量電灯Bとの価格比較グラフです。
我が家は毎月300～400kWhの使用量ですが、2023年12月分は東電よりも2,000円くらい割高になってしまいました。
今は規制料金に切り替えておくのが無難
本来、電力自由化による価格競争で割安なはずの料金プランが、今や大手電力会社の規制料金よりも割高になってしまっているのは、『燃料調整費』の影響が大きいですね。
HTBエナジーを例にして、東電との比較を下のグラフにまとめましたが、燃料が高騰してきた時期からHTBエナジーの燃料調整費単価が爆上げしています。
東電の燃料調整費単価は料金規制の上限に到達しているため、上限変更の認可が下りるまでは単価が上がらない状況ですね。
燃料価格が高騰しつづけると規制料金と自由料金の差は開く一方なので、今の環境が崩れない限りは規制料金に乗り換えておいたほうが無難ですね。新電力は倒産や続々と値上げしている状況ですが、オクトパスエナジーなど数社はまだ踏ん張ってますね。ただ、2023年1月以降も燃料の高騰は続く見込みなので、徐々に規制料金との差が大きくなりそうです。
下に、東京エリアでの電力比較グシミュレーション（我が家の電力使用量をベースにしてます）を貼っておきますので、電力会社選定の参考にどうぞ。
大手電力の各社が国に上限変更の申請を出してますし、これからの燃料価格がどうなるかわからないため、適時最適解を探っていく必要はありますが、いったんは2023年4～7月頃（上限変更の認可が下りそうな時期）まで規制料金で様子を見ておけば良さそう。なお、国が推進している電気・ガス価格激変緩和対策事業のおかげで2023年2月頃から電気料金が下がる電力会社がありますが、規制料金にも反映されるのでご安心を。
規制料金「従量電灯」への切り替え方法
自由料金の電力プランから規制料金「従量電灯」に戻す場合は、まずは大手電力会社（旧一般電気事業者、北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力を指す）に連絡し、スイッチング日（切り替え日）を確定させた後に、今ご利用中の電力会社のほうにスイッチング日を伝達する必要があります。（もしかすると他の方法もあるかもしれませんが、自由料金のプラン変更や電力会社変更のように、ネット上からの申請だけは完結できないと電力会社から説明を受けました）
ここで、一番のネックは『大手電力会社への連絡』なんですよね。東電の場合は、従量電灯への切り替えは電話のみで受け付けてますが、電話が全然繋がらないんですよ・・。僕は2022年の12月に切り替え処理をしましたが、電話が繋がるまで３日かかりました・・。また、スイッチング日を決めてから利用中の電力会社にすぐに連絡を入れる必要もあるので、お気を付けください。