スニーカーは圧力がかかる部位にダメージが出やすいので、シューグーのような伸縮性接着剤が欠かせない。特に、Sacai×Nikeのブレーザーはデザイン性の影響で、屈曲部でソールとアッパーが剥がれたり、ヒールにダメージが表れやすい。ソール・アッパーを接着剤で圧着しているローテクスニーカーの定めとはいえ、オールスターならまだしも、入手困難なモデルで起こると泣けてくるので補修方法は覚えておきたいところ。
接着が剥がれる問題
圧着で成形しているスニーカーだと、接着の剥がれは避けて通れない運命。ですので、あまり気にしなくても良いんですが、レアモデルだと気になってしまいますよね。
こちらはSacai×Nikeのブレーザーですが、ちょうど足の指あたりに該当する屈曲部で圧着が剥がれてしまっています。(赤丸部分)
剥がれるまでの時間は個体差はありますが、履いてるとそのうち絶対に剥がれます。どんなバグだよ・・・。
亀裂が入ってるやつもあるし。ナイキさん、いつも以上に作りが甘すぎるのでは。。
Sacaiブレーザーのメンテナンスポイント
ここからが本題。Sacaiのブレーザーに焦点を当て、定期的なメンテナンス方法をご紹介します。
シューグー(スポーツグー)を買おう
まず、補修に使う製品を紹介します。今回使うのは、「スポーツグー」という接着剤。アメリカ製のもので、接着剥がれなどの補修に欠かせないアイテムであり、ソールの補強・補修にも使えます。同じメーカーが出している似た製品として「シューグー」があります。どちらも性能はだいたい同じで、シューグーは黒、白、自然色(半透明の黄色)と3色あるのに対し、シューグーは透き通ったクリア色。
見た目はこんな感じ。
この製品の最大の特徴は伸縮性。固まるとゴムのようになる接着剤なので、ビヨーンと伸びるわけです。スニーカーの屈曲部は何かとストレスがかかりますが、ゴムのような伸縮性がいい感じにストレスを緩和し接着を長持ちさせます。
上の画像はどれだけ伸びるのかテストした結果ですが、ご覧の通り、かなり伸びます。この伸縮性のおかげで、補修した部分にストレスがかかって剥がずに耐えられますし、補修した部分が固くなりすぎて別の部分にストレスを与えてしまうリスクも緩和されます。
Amazonで1500円程度で買えますので、一本は絶対に持っておきたい。
Sacaiブレーザーはソールに注意
次にメンテナンスする部位ですが、一番気にしたいのはソール。新品を下す前にソールをシューグーで補強していない場合は要チェック。
サカイブレーザーはスウッシュやヒールのレイヤードが特徴的ですが、ヒールから続くソール部分が曲者です。
こちらは新品のヒールです。履く前は、特に問題がないように思えますが、数回履いてヒールが削れてくると話は別。
こちらは数回着用したやつ。お分かりになるでしょうか。ソールが削れるとレイヤード部分がミルフィーユみたいな層として見えちゃうんですよね(個体差あり)。で、接着が甘い個体だと、この隙間がけっこう奥深くまで空いているので、水とかゴミが入り込みやすい。最悪です。
ソールの他には、冒頭でもお伝えした屈曲部のアッパーとソールの剥がれも気になりますよね。
Sacaiブレーザーは「ソール(ヒール)」と「アッパーとソールの屈曲部」の2点を重点的にメンテナンスしていくことになります。
メンテナンス方法
ソール編
まずはソールのメンテナンス方法ですが、「汚れを落とす」「一度塗りする」「重ね塗りする」の3ステップ。ソールは見えない部分なので雑にやっても大丈夫。(神経質な方は丁寧に塗りましょう・・!)
まずは汚れを落としていきます。液体が染み込みやすい厚めの布(使い古しのタオルなど)に無水エタノールなどを染み込ませてさっと拭いていきます。
ちなみに、無水エタノールは、水分をほぼ含まない純度の高いエタノール(エタノールを99.5vol%以上含む)のこと。洗浄力が高く、あっという間に蒸発する性質を持っているため、水に弱いスニーカーに使いやすい優れものです。
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エタノールなどの有機溶媒は全般亭に指先の水分を一気に奪い荒れやすいので、スチームクリームなどでケアしましょうね。
汚れが取れたら、一度塗りです。シューグーを隙間に塗り込んでいきます。早く乾くように薄めに塗っていきます。
一度塗りで乾いたら、シューグーを重ね塗りしていきます。時間があれば、薄く数回重ねていきましょう。時間がなければ、一度に厚塗りしても良し。
乾かすときはソールを天に向けましょう。
アッパー編
次にアッパーのメンテナンス方法。
アッパーはソールと違い、慎重にやる必要があります。というのも、シューグーは光沢性があるため下手にやると目立ってしまうんです。
剥がれている部分に接着剤を詰め込んでいきます。接着させるというよりは、穴を埋めるイメージです。シューグー付属の木ベラが使いづらい場合は、爪楊枝で少しずつ詰め込んでいきましょう。
アッパーはストレスがかかりやすく、また剥がれてしまうこともあるので、無理に埋めなくてもいいかもしれませんね。
以上で補修のお話は終了。
最後に小話
ちょっと横道に逸れますが、Sacaiブレーザーは、コンセプトとしてヴィンテージ感が出やすいように敢えて作りを粗くしています。それに加えて、幾重にも重ねたレイヤードデザインも相まって、余計にダメージが出やすいですね。
個体差ありますが、接着剤がはみ出る仕様となってます。別モデルで大幅にはみ出てる場合はキレていいですよ・・!